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ひそやかな遠音

結婚済のプロヒ勝×兼業教師デの小話     「聞いてんのか、いずく」 今日は中間テストの講評後に雄英教師たちの親睦会があるから、少し遅くなると言っておいたはずだ。きっとかっちゃんは明日に備え…

一口だけ、君に近づく

プロヒーロー勝×新米教師のデアーマー渡す前の勝デ未満小話です。   その日の夜の空気は、仕事で大失敗を起こした昨日よりさらに重たかった。 六月の終わり、梅雨の湿気が街灯の明かりを滲ませている。コンクリートに反射した水の膜…

Before the Dawn

※ご注意※勝己→デクの片想いで、勝己の主観ですが出モブを匂わせるような表現があります。時間軸:アーマー渡した後       その日、レイトショーを観に行くことになったのは、出久の気…

いのちの証

※原作既存キャラの死を明確に書いています。ご注意ください。    僕から見て遠い遠い親戚が入院してから、お母さんは時折その親戚の病室を訪ねていた。最初は食道から始まって、転移に転移を重ねてもうどこの癌かもわから…

赤点上等

アーマー渡した後数年後、プロヒ同士の勝デ未満です。   「ねえ、かっちゃん、“おしゃれな味”ってどんなのだと思う?」 いつも唐突なんだ、こいつの言葉は。 振り向くと、スーパーの惣菜売り場で出久が妙に真剣な顔をし…

月に磨く

「太陽の行き着くところ」と同じ設定の話です。単体でも読めると思います。プロヒーロー勝己と教師デクの勝デ未満小話です。    ボロとまでは言わないが、それなりの年季が入った鉄筋コンクリート製アパートの一室を道路か…

太陽の行き着くところ

プロヒ勝×教師一年目デCP未満でデキてないアーマー渡す前です     鉄筋コンクリート製アパートの二階、自らの部屋のドアノブを開けた僕は部屋の中から香る柑橘系のさわやかな香りに首を傾げた。外の冷気を部…

そうだ未練だ文句があるか

プロヒーロー勝×雄英教師のデのお別れから始まる勝デ小話。      身に覚えの無い荷物が届いた。 夜勤明けの俺の身体に、早朝だというのに照りつけるような夏の朝日がドッと疲れを増長させていた。…

彼岸で待ち合わせ

 最終回後のネタバレ含みます。うっすらデ→死前提の勝→デの小話       『よぉ死柄木、そっちで元気にやってるか』 獄中で書かれたとある自伝本は、まるで遠い街で暮らす旧…

君にもう一度呼んでほしかった

なんちゃってSFパロディ勝デ小話      『本日の日没時間は十九時です。皆さん速やかに帰宅準備を進めてください』 男性にも女性にも聞こえる耳に優しい声が天から降って来ると、僕の周…

アンダンテに追いついて

デクVSA組前のかっちゃんと飯田くん(時々轟くん)の一コマ小話勝→デ前提      「OFAの残りの継承者の能力がどの程度のものかわからない以上、これが最善の策だと思われます」 八…

走馬灯ハイジャック

高校三年になった二人が小旅行に出かける話付き合ってません     「かっちゃん、何か欲しいものある?」 寮のエレベーターに乗り込む直前、出久が「あの……」と意を決した様子で俺に問いかけた。出…